審査請求申立の趣旨
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東京都開発審査会への提訴の記録
審査請求申し立ての趣旨
(1) 本件開発計画の第33条第1項第1号違反
本件開発予定の敷地は7,700平方メートル以上と広大な敷地面積を有するにもかかわらず、北側部分しか広幅員道路(東京都道8号千代田練馬田無線、一般名称は目白通り)に接道しておらず、東西側は接道なし、南側は幅員4メートル弱(最も狭い箇所で2.7メートル)の消防車などの車両が進入不可能な道路(区道3号線、一般名称は目白坂または目白旧坂)に接道しているだけとなっています。
それにもかかわらず、本件開発予定敷地には、高層棟、低層棟、駐車場棟の3棟が予定建築物として計画されています。北側に高さ30メートル超の高層棟を東西向きに70メートルの幅で配置しており、結果として南側に配置された低層棟の火災時、災害時の消防、避難経路を大きく妨げる構造となっております。
都市計画法第33条第1項第1号は、その開発計画が都市計画法第8条に規定する地域地区の都市計画に適合するものであることを審査することを定めており、その大前提は、「一敷地一建築物」の原則です。
@都市計画法第8、9条および第11条
本開発許可対象の予定建築物は、都市計画法第11条第1項第8号の「一団地の住宅施設」として扱うと言う前提で計画されていると思われますが、この扱いを受けるためには、都市計画法第8条の都市計画決定を解除するための都市施設としての「一団地の住宅施設」としての都市計画決定を受けていなければ、第8条の地域地区の基地は解除されません。開発予定敷地には、「一団地の住宅施設」としての都市計画決定がなされていない以上、 都市計画法第8条、に定められた地域地区の規定に従い、一建物ごとに固有の敷地を計画し、それぞれの建築物ごとに敷地との関係で、予定建築物は建築基準法第3章の規定に従い計画されなければなりません。
A建築基準法第86条違反
開発許可の予定建築物は一団地の取り扱いを前提として計画されていると思われますが建築基準法第86条は、都市計画決定された「一団地の住宅施設」を受ける都市計画決定された内容に合わせた建築規制の根拠条文で、第2項には「その位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める当該区域内に存する各建築物に対する特例対象規定の適用については、当該一定の一団の土地の区域を、これらの建築物の一の敷地とみなす。」とする記述は、本件のように都市計画決定されていない「一団地の住宅施設」には適用できません。
B建築基準法第91条違反
この開発自体、開発計画において、各「予定建築物ごとに固有の敷地を定める」ことをしていないことで、第33条第1項第1号に違反しています。
仮に、全体が一建築物であるとしたとしても、開発許可の対象となった敷地を一敷地とするとした場合には、第一種低層住居専用地域と第二種住居地域とにまたがっており、過半以上(約80%)の敷地面積が第一種低層住居専用地域に位置しているため、建築基準法91条の定めにより、過半の属する地域つまり第一種低層住居専用地域に関する法律の規定が予定建築物全体に適用されるべきことは明白です。
しかし、開発許可の対象の予定建築物は第一種低層住居専用地域の建築物の高さ制限および容積率を超える建築物を含んでおり、処分庁の行った本件に関する処分は建築基準法第91条に反する違法なものと考えます。
以上@、A、Bのように、本件開発計画が前提としている予定建築物が都市計画法および建築基準法に違反していることは明らかであり、したがって本件開発計画に対する処分庁の開発許可処分は明確に第33条第1項第1号違反であると考えます。